自省録 2017 2 4

賽が投げられた自分の運命に自分自身を適応させよ。
運命の女神が、共に生きるように定めた仲間を愛せよ。
(マルクス・アウレリウス)

 今日の新聞は、来日した、
アメリカのマティス国防長官の記事を大きく取り扱っています。
 マティス長官の「座右の書」は、
マルクス・アウレリウスの「自省録」であると書いてあります。
長官は、読書家でも有名であるという。
 さて、私は、青年時代、戦争史に興味を持って、
「なぜ、日本は太平洋戦争に負けたのか」と思って、
いろいろな本を読んだことがあります。
 その後、「受験戦争」に夢中になって、
戦争史のことは、すっかり忘れていましたが、
最近になって、それを思い出させる本を見つけたのです。
 それが、以下の「Pacific War 2014 1 26」です。
これは、アメリカ人から見た太平洋戦争です。

Pacific War 2014 1 26

Japanese Military Strategy in the Pacific War : Was Defeat Inevitable?
by James B. Wood
書名 「太平洋戦争」は無謀な戦争だったのか
著者 ジェームズ・B・ウッド  出版社 ワック

 この本は、アメリカの学者が、
太平洋戦争を分析した「戦争史」とも言える著書です。
 著者によれば、
大東亜戦争に関する日本の基本戦略は、
東南アジアの資源地帯から米英蘭(アメリカ、イギリス、オランダ)の勢力を駆逐した後は、
対米すなわち太平洋は、防御、
攻勢の主方向は、インド洋と中国であった。
 この基本戦略どおりに戦ったならば、
日本は、負けることにはならなかったと思われるということです。
 なぜ、当初、立案した基本戦略を守れなかったのか。
それは、本書を読めば、興味深いことがわかるでしょう。
 私は、青年時代に、
「なぜ、日本は、太平洋戦争に負けたのか」ということを考えたことがあります。
 多くの本では、「日本は兵站を軽視した」ということを指摘しています。
今では、「兵站」ではなく、「ロジスティックス」と言うかもしれません。
 もちろん、南方(東南アジア)から資源を運び、
前線へ物資を供給する海上交通路(シーレーン)が、
米軍の攻撃によって、寸断されてしまったことが、大きな敗因だと思います。
 しかし、当初、立案した基本戦略を守っていれば、
海上交通路(シーレーン)は、そういう事態にはならなかったでしょう。
 戦線や戦場を過度に広げてしまった結果、
つまり、当初計画にはなかった作戦を遂行した結果、
様々な問題が発生していったのではないかと思います。
 さらに、そのような作戦は、
当初、欧州戦線を重視していたアメリカを、
太平洋に引き寄せる結果にもなりました。
 この本によれば、はたして、
ミッドウェー海戦は、必要だったのか。
いや、そもそも、真珠湾攻撃は、必要だったのか。
疑問を投げかけています。
 開戦時、太平洋側のアメリカの戦力は、空母5隻だったのです。
それに対して、日本の戦力は、空母10隻でした。
 歴史に「if」はありませんが、
当初、立案した基本戦略を守っていれば、どうなったのでしょうか。









































































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